『男前アイロン』は何が“男前”なのか?【夢ある機械を作る人々】
アイロンが男前ってどういうことかと伺ってみたら、それは、男前な心意気の人たちが作った、最強スチーム搭載のまさに男前な人のためのアイロンだった!
スポンサーリンク不器用ですから……高倉健的美学の家電
石崎電機製作所の自社商品には、業務用にも家庭用にも「SURE」というブランド名がついている。
男前アイロンもSUREブランドの製品である。
「うちは〝質実剛健なものづくり〟が企業理念の会社でして。
「SURE」というブランド名には〝より確かなものをご提供していきたい〟という意味が込められています。
英語で言うと〝More reliable products〟。
昭和3年の創業時から、とにかく良いものを作ることに徹してきたのですが、これからはもっと広く伝えていきたいですね」
たとえば、と成田さんが出してくれたのが男性向けマルチサンドメーカー『モテナシベーカー』。
ホットサンドメーカーを基本に、鉄板(プレート)を差し替えることで、鯛やきや焼きおにぎりも焼ける便利な製品だ。
「モテナシベーカーのキャッチは〝不器用な男のホットサンド〟。
家事なんてまったくできない、料理なんてしない男性でも簡単に使えますよ、という」
某・家電俳優さんが弊社をかなり気に入ってくれているようで、と成田さん。
「大変ありがたいことに、以前からモテナシベーカーをご自宅でよく使って頂いているようで、日テレのお昼の情報番組『ヒルナンデス』でもご紹介頂いて、使いやすさを熱弁して頂きました。
焦げないんです。閉めて押すだけで勝手に丁度いいものが出来上がってくれるので。
細かい話なんですけど、普通のホットサンドメーカーって仕切りがあって三角のものができたりするんですけど、その仕切りをなくす事で具材の自由度も増したと好評です。
上下で挟む鉄板の両方にサーモスタットが入っていて熱を感知するので、どちらかが焦げてしまう事がなく、失敗無く焼けます。
また、別売のプレートが5種類あるんですけど、これをとりかえるだけで色んなものができます」
――ホットサンドってそんな難しいもんなんですかね。
うちにもホットサンドメーカーありますけど、ものすごく雑な機械ですよ?
「慣れてらっしゃる方には簡単なんだと思います。
プレートで焼きおにぎりのがあると思うんですけど、焼きおにぎりって案外難しいんですよね、すぐ焦げてしまう。
この製品は、料理に慣れていない方でも不器用な方でも焦がさない、というのがポイントです。
焦げやすいものも焦がさずに作れる、というところでみてもらうとわかりやすいかもしれません」
――なるほど。
「モテナシベーカーと男前アイロンには同様のコンセプトがありまして。
〝手間を減らす〟ことと〝新しいライフスタイルを提案する〟こと。
確かなものづくりをしながらも、新しい要素も絶対に入れるというのをポリシーに、他社と違うこと、当社しかできないこと、というのを探しています」
わが道を行け! 男前アイロンの会社は、会社も男前なのだった。
取材・文 川口 友万
【了】