飽きさせない献立作りがカギ 極限の地で働く“南極料理人”の大いなるこだわり

『BAR de 南極料理人Mirai』のオーナーシェフ、篠原洋一氏は南極観測隊で、調理隊員を2度務めた。隊員の胃袋と心を満足させる極意を聞いた。

石水典子| Photo by Noriko ishimizu,Mirai

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印象に残る「脳に食べさせる」メニュー

南極料理人
BAR de 南極料理人Mirai
【写真:石水典子】

 家庭料理が中心の質素なメニュー。しかしパーティでは豪華な上に思う存分食べられる量を出して、メリハリを意識した。

「よく私は『脳に食べさせる』と言っています。

 例えば蟹パーティでは、テーブルにタラバガニを一杯、毛ガニは一人一杯ずつ、ズワイガニの鍋は好きなだけ、といった豪勢な献立にします。

 仕入れた蟹を小分けにして出していくより、印象に衝撃的に残るメニューを出した方が満足感を得やすいんです」

 南極では太陽が沈まない白夜や、太陽が昇らない日が続く極夜があるので、体内時計が乱れやすい。

 曜日感覚を忘れないように、金曜日の昼は毎週カレーにした。隊員たちにも好評だったという。

「また南極に行ける機会があれば行きたいですね」

南極料理人
人気メニュー 南極ドライカレー(800円)
【写真提供:BAR de 南極料理人Mirai】

 篠原氏はオーロラを見るために調理隊員を目指したそうで、意外とミーハー。

 Miraiの壁もオーロラやペンギンの写真でいっぱいだ。

 ドライカレーやスパムおむすびなど、篠原氏が観測隊に出していたものと同じ食事が食べられる同店。

 南極は意外と身近にあるのである。

BAR de 南極料理人Mirai
営業時間:17:00~25:00
定休日:なし(不定休)
〒231-0041
横浜市中区吉田町2-7 VALS吉田町 B1F
公式HP:http://http://www.travelbar-mirai.com/

取材・文 石水 典子

【了】

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