【食べる科学実験】最終回 電気肉、NHKの『ガッテン!』の舞台裏(全3回)

4月27日放送の『ガッテン!』を見損なっても、再放送が5月3日午前0時10分にあるぞ! 良い子のみんなは録画予約だ!

川口友万| Photo by Tomokazu Kawaguchi|シリーズ:食べる科学実験

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最強のタンパク質分解酵素とは?

ガッテン03
番組では鶏のモモ肉を光らせた。つまるところ、廣渡さんの趣味で決まった電気肉だったわけだ。趣味が良ろしいですな

 電気肉だけでは押し切れないと考えた廣渡ディレクターは、肉を軟らかくすることにテーマの方向を切り直した。そして放送のメインとなるネタ、肉を究極に柔らかくする酵素を調べ始めた。

「山梨の大学の先生がマイタケの分解酵素の活性が高いという論文があったんです。

 今は使われていないけれど、乾燥マイタケなら使えるというようなことが書いてあって、それはどういうことだろうなと思ったんですね」

 そこでマイタケ生産日本一の新潟へ。そこであるカマボコメーカーがカマボコにマイタケを入れて失敗したことを知る。

 特産品のマイタケのカマボコを作ろうとしたら、分解酵素でかまぼこが固まらなくなったのだ。

「あれはすごいんですよと。顔に塗ったらツルツルになりますよという話で、カマボコに入れたらまったく固まらずにドロドロに溶けちゃったそうなんです」

 すごいな。マイタケ化粧品ができますね。そこの女性諸氏、マイタケの煮汁で顔を洗ってみて。どうなるか知りたい。下手なケミカルピーリングより効くんじゃねえか? 誰かにやってもらおう。

 とはいえ細かいデータがない。

「キノコの薬理活性の研究は近畿大学の先生がやられていたので、お願いしました」

 それで? 活性温度も80度ぐらいまで? 鍋に入れても、酵素活性が消えないんだ。

「胃の中から出るペプシンが最強の消化酵素ですが、それに次ぐか負けない酵素活性があるようです」

 すげえな、マイタケ! 硬い肉を軟らかくしたかったら、マイタケだ! 刻んで水に入れ、エキスが出たところで肉を入れたら軟らかくなるぞ!

ガッテン03
電気肉が見たい方は、東京・武蔵小山の『科学実験酒場』へ! 営業は日曜日のみ、電気肉は、見たいと予約すると見せてくれるぞ!  
科学実験酒場

 次のテーマは決まっているんですか?

「蚊をやろうかなと思います。以前、自然系の番組で、ジャングルや洞窟に行くと虫との戦いなんです。砂漠だとダニがすごいし、森は蚊がいるし」

 ええ!そんな仕事をしていたんですね。大学は山岳部とか探検部とか?

「フォークソング同好会です」

 ガッテン! 何がガッテンだ。全然ガッテンできねえ! 次も期待してます! がんばってください。

取材・文 川口 友万

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【了】

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